<地底の巨人国> 4
蔵馬「幽助、桑原くん。もぐらさんのお迎えが来たよ」
幽助「マジか!?」
コエンマ「≪改めて咳払いし、≫部下を救ってくれたこと、礼を言……」
幽助「礼なんかどうでもいい!! こっから、帰る方法教えろ!!」
胸ぐら掴み上げて、ガクガク揺さぶる。
無論、こんなシチュエーション、原作にはない。
コエンマ「そ、それは…無理……≪がくっ≫」
ぼたん「きゃー、コエンマさま!」
ひなげし「大丈夫ですかー!?」
あんまり大丈夫には見えない。
蔵馬「帰れないということかな」
実際はがっくりするところだが、全くしていない蔵馬だった。
で、本当はここで、よしこは「お母さん…」と悲しげに言うのだが……、
幽助「……何で、この年でお袋の名前呼ばねえといけねえんだ」
蔵馬「まあ、いちおう子供みたいだし」
幽助「それでも呼ばねえだろ、普通」
蔵馬「(普通は呼ぶと思うけど。特に女の子だし)」
悲しくなってうずくまるところだが、やっぱりやってくれないらしい。
かろうじて復活したコエンマ。
こんな連中、全然気の毒ではないが、長居してほしくないと言わんばかりに、
コエンマ「≪決心したように…というところだが、立つのがやっとのため、そんな気全然なし≫…いちおう部下の恩人じゃ。≪一体何処に持っていたんだよというツッコミが来そうな感じだが、ひょいっと玉を取り出して、≫……この玉、持っていけ」
飛影「……何だ、これは」
コエンマ「どんな願いでも叶えてくれる、魔法の玉だ」
蔵馬「どんな願いごとでも?」
コエンマ「ああ。三つまでだがな」
桑原「三つかよ。すくねー。せこいな」
幽助「確かにな。ま、帰るまでくらいなら、三つでも何とかなるんじゃねえか?」
飛影「……フン、くだらん」
幽助「ほんとにどうでもいいってツラしてやがるな。ま、いいか。それくれ」
コエンマ「……成功を祈っている(訳:さっさと帰れ。二度と来るな)。じゃあな」
もぐらたちと別れて、子供たちが行きかけると、まねさせ巨人が出てくる。
数行くらい、歩き出してくれてもよさそうだが、句点すらなかった……。
まねさせ巨人<静流>「ちょっと待ってよ。あんたたち、私を素通りして、何処へ行くつもり?」
蔵馬「どうもこんにちは。地上の国へ帰る途中です」
↑は実は飛影の台詞なのだが、話が進まないため、蔵馬が代理で説明した。
静流「帰るの? ふ〜ん、じゃあ、私の出す問題に間違えずに答えな」
桑原「……」
幽助「おい。ここお前が挑んでくところだろ?」
桑原「んな、怖い真似ができっか!!」<←いちおう初対面だが、本能的に怖いらしい>
蔵馬「進まないから、行って」
桑原「……」
静流も怖いが、蔵馬も怖い。
前門の虎後門の狼とは、正にこのことか……。
たっぷり数分悩んだ末、結局行くことにした。