<地底の巨人国> 2

 

 

 

・・・ある早春の晴れた日、ここは、地底の巨人国。

姉もぐらが、しっぽの上に石をのせられて、たおれている。

 

弟もぐら<ひなげし>「≪石をゆさぶり、≫びくともしない。ぼたん、待っててね。今、コエンマさま呼んでくるから(あんまり期待出来ないけど…)」

姉もぐら<ぼたん>「早く頼むよ〜(確かにあんまり期待出来ないね…流れ上、仕方ないけど)」

 

心の中での、ある意味正確なツッコミはこの際置いておいて、とりあえず弟もぐらこと、ひなげしは、かけ去ってゆく。

その後、ピクニック姿……ではなく、いつも通りな幽助たちが登場(中学生にもなってピクニック姿もないだろう…リュックサック似合わなそうだし)。

通常、そろそろと出てくるシーンだが、彼らがそんな振る舞い、天地がひっくり返ってもするはずがないため、いつも通りな登場となる。

 

 

まさお<飛影>「……」

幽助「おい、飛影。ここお前の台詞だろ」

飛影「フン、知るか」

蔵馬「飛影。先に進まないと、終わるものも終われませんよ」

飛影「……。……ここは、何処だ」

ゆたか<蔵馬>「(すごく投げやりだな……)飛影。足元気を付けてね」

飛影「フン。言われるまでもない」

よしこ<幽助>「っていうか、晴れてるのに、何で怖がらねえといけねえんだよ!」

蔵馬「(台詞、大分違うけど……まあいいか)。静かに。何か聞こえる」≪←かくいう蔵馬も、結構棒読み≫

ぼたん「助けておくれよ〜」

 

子供達、驚いてたちすくむ……ことになっている。

 

幽助「……おどろいて立ちすくむのか?」

蔵馬「驚く理由がないけどね……とりあえず、先進もうか」

 

……別に彼らは劇をやっているわけでもないのだが、とりあえずこういう感じで話は進む。

いい加減で、申し訳ないが、とりあえず進ませて頂く。

 

 

ぼたん「お願いだよ〜」

 

かずこ<桑原>「何か、でかいもぐらだな」≪←いちおう初対面≫

蔵馬「どうかしたのか?」

ぼたん「見て分かるだろー!! 早くこの石、どけとくれー!!」

飛影「確かにな。無様に挟まれているようには見える」

ぼたん「ひどーい! いたーい!!」

 

確かに酷い。

ついでに結構痛そうだ。

 

蔵馬「まあ、敵ではなさそうだし。飛影、そっちに回って。そこでしゃがんで」

飛影「……?」

 

怪訝に、ぼたんの近くへ回り込んで屈む飛影。

丁度、ぼたんに覆い被さる姿勢になっている。

ちなみにこういう筋書きは本来の劇には一切ない。

 

蔵馬「薔薇棘鞭刃!!」

飛影「!!??」

ぼたん「ぎゃー!!??」

 

どっかーん!! ……と、岩を破壊、粉砕、木っ端微塵。

瓦礫の大半は吹っ飛んだが、破片が飛影に降ってくる。

ぼたんは無傷ですんだが、ショックは大きそうだった。

 

 

飛影「蔵馬、貴様〜!!」

蔵馬「はいはい。時間が惜しいから、先に進もうか」

飛影「!!…(怒)」