その3 <装備>
「ここから街の外に出るのか…何か、緊張感に欠けるな…」 カリカリと頭をかきながら、呆れた顔で街の出口を見据える幽助。 「ここから先は街の中と一緒にしない方がいい。街以外のところでは、必ずモンスターが出現する、これがRPGの鉄則だからね」 明るい幽助たちとは逆に、不安を拭いきれない蔵馬。 「いちおう出来るだけの装備はしていった方がいいだろうな」 いつもに増して神経質になっている蔵馬に、流石の幽助たちも一瞬沈黙した。
「じ、じゃあさ。どうすんだ?」 「はっくしゅん!!」 「今、誰かくしゃみしたか?」 ピッピッ 「蔵馬。何でゲームカウントなんか調べてんだよ?」 返事はしたものの、実はよく分かっていない幽助&桑原。
「攻撃力が低いのは……桑原くんと俺か」 ブツブツ言いながらも、今度は装備の可・不可を見てみる蔵馬。 「……マズい」 本当ならば、攻撃力+2とほとんど意味のないヒノキの棒よりも、もっと攻撃力の高いものが欲しいのだろうが……あいにく金がない。
「とりあえず桑原くん、棍棒装備して」 大体予想は出来ていたが……上から機嫌の悪い声が降ってきた。 「俺は素手で戦える。そんなものは必要ない」 不満をぶちまけるが如く怒鳴りつけると、飛影はそのまま街を出ていってしまった。
「おい飛影!待てよ!」 幽助も早く外に出たかったのだろう。 「あ、桑原くん。ちょっと」 と、蔵馬に袖を引っ張られ、止められてしまった。 「な、何だよ。あいつら行っちまうぜ!?」 と、蔵馬が渡したのは、一着の服。
「桑原くん、体力もほとんどないから」 攻撃力も低い上に体力も低いとは……運のよさだけが高すぎるからなのだろうが、やはりショックではあるらしい。 「なあ、蔵馬」 ボソボソと口の中でこっそり頼む桑原。 「ああ。とりあえずは黙っておきます」 るんるん気分で、街を出ていく桑原。 しかし……その後ろで、蔵馬が不敵な笑みを浮かべていることに気付かなかったのは、彼の高いはずの運が、たまたま働かなかったというしかないだろう。 「桑原くん。確かに俺は、言いはしませんけどね。防御力の高い旅人の服を装備している時点で、気付かれると思いますよ♪」
……こうして、ようやく旅に出ることが出来た幽助たち。 |
力 | 素早さ | 体力 | 賢さ | 運の良さ | |
ゆうすけ | 14 | 9 | 9 | 3 | 2 |
くわばら | 6 | 3 | 7 | 5 | 24 |
ひえい | 10 | 18 | 8 | 6 | 8 |
くらま | 6 | 13 | 5 | 19 | 8 |