<蔵馬> 1

 

 

・・ユースケ宅。
桑原くんと俺と飛影が久しぶりに集まった時の事です。

「浦飯、教会で式あげるんだってな〜。」
「ああそういえばそんな事言ってましたね。」

もちろん蛍子ちゃんとですよ?

「・・・?」

「どこでやるかしってるか?」
「さぁ?」
「浦飯のことだから、魔界であげるーなんつってなぁ。」
「あはは、らいぜんさんのお墓に教会立てたりして。」

「・・・・??」

「?飛影どうした?」
「・・しきってなんだ?」
「結婚式のことですよ」
「血痕死鬼?」
「なんか発音が違う・・」

「成人した男の人と女の人がいっしょになることを祝ったりする行事です。」
「?なぜいちいちそんな事をしなければならん。」
「なぜって・・・・。ねぇ。」
「なぁ。」

「そしたら俺はムクロと一緒に居るから、ケッコン式をあげねばならんのか?」
「・・(ブッッッッッッッッ)!!」
「ええ、そうですよ」

「くくくくく蔵馬!」
「そうか・・・」
「飛影、結婚式をする前に、男の人は女の人に「ケッコンしよう」っていうんですよ。ムクロにもちゃぁんと」

 

「言われてたまるかあほぅ。」
「あ、呼ばれて飛び出たムックちゃん。」
「変なキャッチフレーズつけるでない!・・飛影、ケッコンというのは一緒に済む事を言うんじゃないぞ。」
「ほんとはしたいくせに」
「死にたいか?」

「俺が神父さんねー♪」
「死にたいらしいな」
「じゃぁ早速着替えて」

ガチャ

「蔵馬・・」
「あ、ユースケおかえり。」
「ただい・・・・・・・ムクロ!?」
「よぅ、ライゼンの息子。」
「ふん。」

「なななななんで・・・」
「じゃあいってきます。」

バタン

俺はトイレ(2階にもあるらしい。いいなぁ)に向かい、懐からとりだした神父さんの衣装(真っ赤っか)に着替え始める。

・・・あっ、見てはダメ。

 

***

「たらいま〜」
「どこいっ・・・!!何だその格好!!」
「神父さんです。」
「・・・本当に死にたいか、蔵馬」

あれ、ムクロ・・

「とかいって貴女、まだ居るってことは式あげたいんでしょ。」
「・・・飛影、帰ろうか。」
「?わかった。邪魔したな。」

シュッ

「あ〜あ、帰っちゃいましたね。」
「飛影とムクロの式見たかったなあ。」
「なになに、あいつらケッコンすんの?」
「らしいですよ。」

ガラ。

「いらんことしい!」

とムクロ。
あ〜あ〜土足で上がり込んじゃって。(さっきは脱いでました。)

「まだいたんですか・・・」
「何だその複雑な顔は!お前は放っておけない!ご同行願う!」
「わー、俺最近魔界行ってなかったんです〜。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

シュッ

 

「あ、蔵馬・・・・。」

どうやら、本当に行ってしまうようです。