<蔵馬> 2

 

in魔界。

「うーん、魔界の空気は相変わらずおいしいですね〜。」
「人間界に比べたらな。」

「さぁて蔵馬くん、ちょっとこっちに来てみようかな〜?」
「はいはい・・・もうこれ以上変な事言いませんって。」
「本当か?」
「うん。」

「そうか・・・おい飛影、お前からもいってやれ!」
「・・・ほんとのところ、けっこんしきってなんなんだ。」
「・・・・あのなぁ〜。」

「結婚式は夫婦になることをいうのです。」
「フーフ?」

飛影はほんとうになにもしらないらしい。
痴話げんかを知っていて、夫婦は知らないんですね。

「ふうふってのはなぁ、家族を作る権利がある男女のことをいうんだ。」

ムクロはなぜそんな事を知ってるのでしょうか?

「残念ながら魔界にはありませんけどね」

・・・黄泉とかライゼンさんとか、ケッコンしてませんもん・・・・・・ね?

「そうか・・・」

あ・・
飛影やっとどんな事を俺が言ったのか、分かったみたいですね。

いいじゃないですか。
お似合いですよ?この二人。

「ねぇ時雨。」
「!な・・?」
「ああイヤなんでもありません。」

 

***

魔界で言う神様は、破壊神とか、魔王とかのことを言うようです。

「天使なんていう下らん存在、俺は認めないな。」

とムクロ。

「ふーん・・妖怪でもいい人はいるんですけどね。」
「だからここには教会やケッコンがないんだろうな。」

・・・こういった、ムクロとの世間話はなかなか楽しい。

・・このあと、ユウスケの式は無事に終了し、魔界に教会なんてものはたつことも無く、平凡に日々が過ぎていきましたとさ。

しかし、俺の知らない所で、こんな事がおきていたそうです。

「陣が風神様?」
「風の神様のことずら。だからはえらいんだべ〜。」
「・・そうなのか・・・」

「飛影ってだましやすいべ」
「なんかいったか?」
「いやぁ。」

 

いやぁ、お後がよろしいようで。

 

おわり。