<イキテルリユウ> 9
「・・・な・・・っ?」
「・・・え・・・?」
「・・・は・・・?」
「・・・ウソだろ・・・」
そう・・・その人物とは・・・
「・・・戸・・・愚呂?」
「・・・仙・・・水・・・?」
「・・・オヤ・・・ジ・・・?」
そう・・・・その敵の顔は・・・まさに今まで戦ってきて,苦戦してきていた相手・・・。
戸愚呂・仙水・雷禅の顔だった。
「・・・・どーゆーことだ・・・・」
幽助は,もはや正常ではいられなかった。
倒れこむように床に座り込む。
自分の父親にこんな形でまた会うなどと・・・誰が予想するか・・・。
「お前ら・・・霊界の手先だな・・・」
「・・・オヤジ・・・?」
「いや・・・あれは・・・」
「ん・・・?」
蔵馬が,幽助を止める。
皆が反応する。
蔵馬は,敵をじっくりと見てから言う。
「・・・多分・・・オレの推測だが,あれは戸愚呂・仙水・雷禅の細胞をたし,その3人に極めてよく似た肉体を作り出し,戸愚呂・仙水・雷禅の細胞をその肉体につなげ・・・」
まさにチンプンカンプン・・・。
話は聞いているもののぜんぜん分かっていない。
蔵馬の説明はこの後しばらく続く・・・。
「・・・だと思うけど・・・」
「わりぃ。わかんねぇ」
即答える桑原。
数人うなずいてる。
「分かりやすく言えば,あれは誰かが作り出したクローン人間ですよ」
「・・・はぁ〜・・・?」
「だから・・・あいつを倒しても・・・その上にまだ親玉がいるはず・・・」
「・・・ふぅ〜ん・・・」
何とか理解できた様子。
本当に理解できたかどうかは分からないが・・・。
「とにかく,アイツを早く片付け・・・!!」
急に,正面から何か飛んできた。
それは・・・。
「・・・指弾だ!」
「逃げろ!」
そう・・・それは戸愚呂の指弾だった。
あの時と同じ力の・・・いや,その倍以上・・・。
皆は,急いで下がり,指弾をよける。
が,かなりの数が飛んで来るため,全てをよけることは出来ない・・・。
「(なんて重いんだ・・・)」
「(こんな重いやつを幽助はあの時うけていたのか・・・!?)」
「(くそ・・・避けきれない・・・!)」
6人衆は指弾に悪戦苦闘している。
戸愚呂自体はB級だが,クローン人間は雷禅の力―S級の力―もある。
6人衆では苦戦するのは無理もないのだ。
一方幽助達は,何とかよけている。
が,ピンチであることは確かであった。
「(くそ・・・このままじゃやられる・・・)」
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