雪菜を探す為に人間界へ下り、幽助との戦い、武術会、元霊界探偵だとかいうS級人間との戦い・・そして魔界トーナメントのせいで大幅に魔界が変わった。

 

潰れ顔の桑原は雪菜とのうのうと過ごし、幽助はラーメン屋台とやらをやっている。

蔵馬は相も変わらず幽助や桑原と同じく人間界に留まりそれなりに忙しい生活を送っているため、魔界には来る事がないらしい。

 

そして躯に敗退した俺は今もこの魔界に迷い込む人間を元に返す役割をしている。

それも一日中、しかも次のトーナメントまで気の遠くなるような時間をあの躯にずっとコキ使わされるのだ。

 

 

そんなわけで飛影はストレスがたまり、イライラしていた。

 

 

 

 

 

 

HOME SICK??*

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***********百足**************

 

 

 

 

ガチャ。

 

 

「おい、部屋に入る時はノックくらいするもんだぜ。マナーだ。」

 

 

「フン、人間界のそれも女の言う事だろう」

 

 

「お前そんなんじゃ厭きれられるぜ。大事な奴にな」

 

 

「・・・誰の事だ?」

 

 

その言葉に一瞬ヒくりとくる。

 

 

「くく、わかってるだろう、それより何の用だ?」

 

 

「退屈だ。手合わせ願いたい」

 

 

「パトロールはつまらんか」

 

 

「うんざりだ」

 

 

飛影の正直な気持ちだ。

 

 

「そうか。だが決まりだ。サボれば俺が上のやつらにどやされるんだ。従ってもらう他ないな。」

 

 

躯は応じる気が無いらしい。

 

 

「文句があるなら俺に言えばいいだろう。いつでもヤってやる」

 

 

「それじゃ困るんだよ、派手ないざこざはご法度だろう。お前は百足まで壊しかねないからな」

 

 

「・・・(それはお前の方じゃないのか)」

 

 

飛影の心境を読んだ躯がジロリと飛影を睨む。

 

 

「お前あれだろう?ここんとこそいつに会えなくてイライラしてるんだろう」

 

 

ニヤリと人の悪そうな顔でさらりと言う。

 

 

「フン、だから誰の事だと言っているんだ!」

 

 

そうがっつくなと軽快にあっはっはと笑いながら躯は宥めるように言う。

 

 

「まぁ、3日くらいなら休暇をとらせてやるよ。そんなに心配ならたまには帰れよ。」

 

 

「(カンに触る言い方しやがって)何貴様・・・っ」

 

 

何のことかはわからないが、とりあえずからかわれているという事がわかった飛影は機嫌を損ねながら。

しかし、せっかく貰えると言われた休暇を台無しにしない様ここはぐっとこられてズカズカと部屋からでていった。

 

 

その様子が面白くて躯は逆に機嫌が良くなったようだ。

 

 

3日したら戻ってこいよー」

 

 

「フン」

 

 

躯の言葉を背に受け、飛影は百足を出た。

 

 

 

 

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とりあえず百足から下りた途端、飛影は3日間自由だと言う実感を感じ、先ほどのうっぷんが大分治まった。

 

 

・・・冷静に思い返すと、確かにパトロールはつまらなく、うんざりはしていた。

イライラしていたのも事実だ。

 

 

だが別に、誰かと殴り合いたいわけでもなかったと思う。

自分の気持ちをうまく表現できなくて手合わせをしたいと申し出たわけで・・と色々考え始めるが次第に考えても自分が今どうしたいのか良く分からなくなってきた。

 

 

「・・・・・なんなんだυ俺は何がしたい?」

 

 

今度はイライラではなくわけもわからない本心に霧のかかった様な気持ちが飛影を覆い被せる。

だがどう表現していいかわからない飛影は解決策が見つけられないでいる。

 

 

きっと思いっきり暴れればこのわけわからん苛立ちが治まるんだ。

そう自分に言い聞かせ、取り合えず怪我しようが勝とうが面倒ではない幽助を相手にする事に決め、人間界に向かう。

 

 

向かう途中、「お前、人間界に何の様だ?」等、

軽がるくも問うトカゲの様な色でボコボコとした凹凸顔の妖怪をギロリと睨み、「ひぃ」と小さく悲鳴をあげ、

そそくさと逃げさってく様子を見てイライラした気持ちの解消をさせていく。

 

 

全く、俺に口の利き方を知らん奴が多い。どのツラ下げて俺に話しかけているんだ。

 

 

見てくれの悪い奴は好かん。気分が悪い。

それが俺に向かっていると尚更だ。

 

 

やはりキレイなツラにこした事は無い。

 

 

人間みたいな顔をして、

 

 

「大分お気がたっている様ですね。パトロール続きなんだし、少し休んだらどうですか?」

 

等本心か上辺だかわかんないような事を平気で人に言い、甲斐甲斐しく飯だの風呂だのおまけにベットまで譲る奴が・・

 

・・・・・・・・・・・。

 

・・・・・・・・・・・。

 

・・・・・・・・・・・?

 

蔵馬?

 

今のは蔵馬か??

 

 

飛影の不機嫌さが蓄積した脳裏に浮かんだ人物は、真っ赤な長髪の青年だった。

(ええ、紛れも無く蔵馬です)

 

 

・・・・・・・・・・・フン、蔵馬か。

 

 

まぁいい、奴の顔も久しく見てない

まさか忘れられては・・いや、それはない

 

 

フン、行ってやるか。

 

 

当初の目的等キレイさっぱり忘れて蔵馬の家に帰る(直行した)

 

 

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