翼が幽助と逢ってから数日後。
盟王高校にてとある教室・・・とくれば翼の教室であり、ちなみに今は休み時間である。
翼はトイレに行き、教室に戻った。
「・・・・?」
翼は違和感を感じた。
「(何?違和感?まさか、妖気?霊気でもない。妖気でも霊気でもないとするといったいなんだ?)」
翼はそう思った矢先であった。
ドスッ!
突然、男子生徒の1人が翼めがけてパンチを送り込んだ。
翼は寸前の処で、攻撃をよけた。
クラス全員の目が虚ろになっている。
「何かに操られてる、か。」
翼は、魔旋律を唱えた。
「眠りを司りし精霊よ。我の前に現れし邪悪なる根源を持つ者を眠りにつかせよ。スリーピング!」
翼が呪文を唱えると小妖精がいくつも飛び回り、生徒達を眠らせた。
「ふぅ〜。先生らが来たらヤバイから・・・。」
翼は呪符を取り出すと念を込めた。
すると、蝶の羽を生やした小妖精が現れた。
「フロール、蔵馬以外の全校生徒を眠らせて。」
「OK。赤い髪の人でしょ?」
「うん、蔵馬のいる教室は最後にして。そんでもって、連れてきて。」
「まかせといて〜!」
フロールは眠りを司る妖精である。
そして数分後。
ッタッタッタ・・・・。
軽い足音が翼の教室にまで聞こえてきた。
「蔵馬、大丈夫?」
翼は蔵馬に声をかけた。
「えぇ。それよりこの妖精は?」
蔵馬はフロールを指差して言った。
「フロールは眠りを司る妖精なの。」
翼は説明した。
「それより、全員魔法で眠らせたんですか?」
「うん、私とフロールの魔法は私が覚醒魔法を唱えない限り、絶対には目を覚まさない。」
「それならこう都合ですね。」
その時、ぼたんが開いてる窓から入ってきた。
「翼ちゃーん!蔵馬も一緒なんだね!」
「ぼたん、これはいったいなんですか?」
蔵馬はぼたんに聞いた。
「数時間ほど前、霊界から、指名手配されて逮捕された妖怪が脱走して人間界に潜り込んだんだよ!」
ぼたんは事のいきさつを話した。
脱走したのは香蝋(こうろう)という妖怪で自らが作った香りで人を操る事ができるという。
「とにかく、このままほっておいたら危険なんだよ!コエンマ様は大至急、翼ちゃんに香蝋を逮捕してほしいと要求してきたんだ!」
「ということは霊界探偵の初任務って事だね。わかった、すぐ香蝋を逮捕しにいくよ。蔵馬も行けるね?」
「えぇ。」
翼の言葉に蔵馬も頷いた。
「それじゃ行きますか!」
続く。
後書き
はい、続きは後編になります。
次はどうなるんでしょうか〜。