第七部 孤高の戦士…じゃなく盗賊。
主人:クラマ は寝ています。 バタン 幽:やーっと終わったかー コ:どうした? 駒:あーそういえば。 桑:心配することねーんじゃねーのか?いつもと違って居場所がわかんなくなるってことはねーだろうし。
(こちらは現実世界) 雪:あら?あのーぼたんさん、ぱそこんの画面が勝手に変わったんですけれど
ぼ:
え!?
(ゲーム世界、町外れの迷宮の入り口に一人たたずんでいる人影) 一人の盗賊が買ってきたばかりの装備を身につけ今迷宮に入ろうとしている。 飛:(尾行はされてないようだな。) 再び迷宮に眼を向ける。 そんなことを知ってかしらずか、盗賊は暗闇の中へと進んでいく。
(その頃酒場周辺では) 凍:だめだ、こっちにもいない。 幽:おーーーい! (一杯飲んで落ち着いた後で) 全員:商店街?
(その時の状況) 桑:おーいオヤジー(奇妙なポーズを顔つきをして)こーんな顔したチビ見なかったかー? ―――――――――
幽:でーその盗賊、店員に聞いて自分が装備できるもんを買い込んでったんだと。 駒.ο0(いったいどっからその途轍もない自信が沸いてくんだ?) コ:! まさか飛影のやつ……。
(こちらは迷宮) 音も、光もない、闇と静寂が支配する迷宮へと続く階段を降り立つ。 飛:(さっそくお出ましか) 盗賊は音も無く人影に近づき、そのひとつに後ろから短剣で素早く斬りつける。
ギャァァァァァァァァァァ 迷宮内に得体の知れない化け物がだしたような悲鳴が響き渡る。 飛:(かなりスキだらけだ!) 驚く人影の仲間。
飛:(チッ、雑魚が) つばをはき捨て辺りを見回す盗賊。 突如、盗賊の目の前で這いずってきた物体が伸び上がり威嚇の姿勢をみせた。 飛:(ほう、やる気か) 短剣を逆手に握りなおし伸び上がってきた物体めがけて一気に切りかかる。 スバッ! 切りかかられた物体は声にならない悲鳴を上げ、溶けるようにして崩れていく。
飛:(フン、さっきのより歯ごたえのないやつだな) つまらなそうに剣を構えなおす盗賊。 飛:(だが豚よりはまだやる気のある雑魚だな) 盗賊は薄笑いを浮かべ、まとわり付こうとする生き物めがけて剣を繰り出す。 ザシュ! 二匹目、狙い違わず一筋に斬られ崩れ去っていく。
その瞬間、盗賊の腕に痛みが走る。 飛:(チッ、後ろに回りこまれたか)
ジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ 煮えたぎった油をかけたかのようにただれる腕。 グシャ! 叩きつけられた生き物は同胞の後を追い、溶けるようにして消え去る。 飛:(少しは楽しめそうだな) ただれた自分の腕を見てもなお笑いを見せる盗賊は、叩きつけた後の生き物などは気にも留めず、残党めがけて剣を振り続ける。
(現実世界にて) ぼ:あーーーー!ホントに一人でいっちゃったよ〜!なにやってんだよ飛影〜〜速くお家にかえんなさい〜〜!
(そのころ酒場で) 一人で迷宮にもぐったぁぁ?! 蔵:おそらく。 コ:どういう思考回路しとるんじゃコイツラ……。
(迷宮のなか) これまで何匹倒しただろう。
飛:(!) 盗賊はすぐ異変に気づいた。 飛:(少しは期待できそうだな) 敵はそこにいた。 どれとも違う。
突然『それ』は襲い掛かってきた。 シャ! カキン! 飛:(ク!) 辛うじて一撃を受け止める。 ガキ! これもまた“辛うじて”受けた盗賊は、体勢を立て直し
しばらく時が止まったかのように思えた。 ふと盗賊は、自分が防御の構えをしているのに気づく。 飛:(……フン) 盗賊は一瞬笑顔を見せると、防御から攻撃の構えへと短剣を持ち替えた。
敵が動く。 敵が一瞬ひるんだ。 盗賊が笑う。
剣が振り下ろされる。
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