第十部 飽食大国日本の中心で餓死しそうだと叫んでみる話

 

 

(飛影の蘇生は一度は失敗したがその後何とか成功した)
(実は金が足りなかったので全員で迷宮内を駆けずり回り金をためたなんて間抜けなことは秘密である)

(とにかく飛影も無事蘇生がでた)
(冒険者達のレベルも少しは上がってきて地下一階の敵ぐらいは楽に倒せるようになってきたころ)

 

 

 

(事件はおきた)

 

(事件発生直前:迷宮内でのパーティ2)

幽:やーいやーい こっこまでおいで〜
オーク:ウガぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

      ヒュン!(ススス――

 

酎:お〜いおいおい どうしたぁ〜もう終わりか〜
オーク:ゼイゼイ… ウ、ウグぃぃぃぃぃぃ

      ガガガン!(ヒュン

ボカッ!!(オークは死んだ!

幻:遊ぶなお前たち、雑魚だと思って油断しすぎだ

ドン!(オークは死んだ!

幽:マジで雑魚なんだからしょ〜がね〜だろ〜

ゴスッ!(オークは死んだ!

酎:まともに戦わねぇからロクに汗流せねぇよ
  
これじゃ帰ってからの酒場での一杯がまずくなっちまう

 

 

駒:ZZzzz...
凍:鈴駒おきろ!戦闘は終わったぞ!
駒:Zzz...   …ん?ふぁぁぁぁーぁーぁー なぁに?
鈴:戦闘終了だ!出番だぞ

駒:あ〜? あ、はいはいりょーかい

(宝箱ので罠の開錠をはじめる)

酎:おーいテメェまーた寝てやがったな?
駒:だってすることないんだもんなー
  あーあ戦闘できる人がうらやましいよー

 

幻:やれやれズボラもここまでくれば勲章もんだな
幽:しゃーねーだろ、事実ダルいんだからよ
幻:ほう、大口たたくからにゃもう剣は使いこなせてるんだろうね?
幽:これマジで使いにくいんだぜ!
  つーか殴るだけで十分倒せるような相手バッカじゃうまくなるわけねーだろ!
  さっさと迷宮の奥にイキテーのによ!

幻:それ相応のレベルになるまでガマンしな――
  そうだな…鈴駒、今お前のレベルはいくつだ?
駒:ん〜?レベル5だよ
 (ガコン!
  罠が外れた!

 

幻:よしキャンプを張るぞ――鈴木、お前は?
鈴:レベル4だ
幻:EXP(※経験値)は?
鈴:ちょっとまて――INSPECT!(※調べる!)

(鈴木の前に石版が現れる)

鈴:んー(石版を覗き込みながら)
  6380…だな

幻:オーク約3体分か…呪文はまだ使えるかい?
凍:
(呪文書をめくる)どうやら呪文は使い切っているな
鈴:こっちもだ
幻:回復呪文ももう残ってない、さてどうする
  帰るか?それとも――

酎:鈴木がレベルアップするまで戦う方に決まってんじゃねーか!
幽:これで全員レベル5だな
駒:『全員レベル5になったらもっと下(地下)につれてってやる』
  忘れてないよね?
幻:ん 何のことだい
幽:モーロクすんなこのクソガキババァ!

 

 

 

 

(酒場前)

蔵:とりあえず城内で回れそうなところは一通り行ったと―――
幽:よ!蔵馬!
蔵:幽助!少し遅かったな。
酎:おお ちょーっとニュースがあるぜ!
蔵:ニュース?

酎:ま、それは酒場に入ってボトルでも軽く2,3本あけながら話そうじゃねぇか!
駒:2,3本じゃなて2,30本の間違えじゃないの
幽:とりあえず内入ろうや

 

(全員酒場に入る)

陣:おおぉ!かえってきたか〜〜!
桑:おっそいじゃねぇかよ!
幽:へっへっへ〜ちょっと事件があったんでなー
桑:おう、実はオレもニュースがあるんだぜ!
  オメーが聞いたら泣いて悔しがるようなニュースがよ!
幽:あー言ってろ言ってろ
  オレのほうがぜってー上だからな〜
  実はよ――――

 

幽&桑:パーティ全員レベル5になったんだぜ!

 

幽:なーんだオメーらもかよ!

桑:まー誰かさんが無茶したおかげで遅れとりそうになったけどよー
  オレ様のおかげで晴れて全員レベルが ぐっふぉぁ!!
  なにしやがんだこぉんのぉ!!
飛:何か言ったかつぶれ顔
桑:ぎ〜〜〜こんにゃろう!

 

蔵:そっちもなったんですか
幻:ついさっきな
蔵:思ったよりも早く上がれましたね
鈴:鬼のレベル上げだったからな…
駒:まさかゲーム開始から一日以内でここまでこれるなんてね
蔵:最も実際どれほどの時間がたったのかなんてわかったものではないですけどね
  ところでコエンマ、なんだかずいぶん静かですね

コ:………それ……が……

陣:あー!蔵馬ぁーーーーー!!!!
蔵:どうした!?

 

 

陣:飯は〜? オラ腹ヘッタだよ〜〜
幽:そういや、オレも腹へったな
  飯は寺で食うつもりだったから腹へらしといたんだ
蔵:そういえばコエンマ、ここではどうやって食べ物が手に入るんですか?

駒:え?!蔵馬知らないの?
蔵:冒険者の食事シーンなんてありませんからね
コ:じ、実は…その…ことについて…言いたかったんだが…
酎:おお

コ:飯はな……酒場の主人に頼むと…
幽:頼むと?
コ:鍋や調理器や調味料…それから台所を貸してくれる…
陣:おお!
桑:んで?

 

コ:………以上だ…

 

 

 

全員:……………………………………………あぁあ?!

 

 

幽:おぉぉぉい待てよ
  つーことは、材料はひょっとして…
コ:とって…くるんだ…

幽:どこから?

コ:(地面を指差し)そこから

幽:地面からか?きのこでも生えてんのか?

コ:いやいや…迷…宮から……

 

 

 

 

今まで出現した迷宮内のモンスターたち

・オーク――――――豚の顔をした毛むくじゃらの二本足の生き物

・コボルト―――――犬の顔をした毛むくじゃらの二本足の生き物

・アンデットコボルト―

・ローグ――――――まるっきり人間

・ブッシュワッカー――上に同じ

・バブリースライム――論外

 

 

かくして新たなる戦いが始まった…

 

 

 

 

 

 

〜もうひとつの戦い!食料を確保せよ!〜

とりあえず迷宮内からモンスターの皆さんををご招待(動きません)してきた冒険者たち

 

蔵:まず第一にこれを食えるように加工しなければ…
  幽助!まかせた!
コ:たのむ…! もう一週間ぐらい何も食っていないんだ…!
幽:おぉう!何とかして食えるようにはして見せるぜ!

 

 

(こちらは毒み…ではなく味見の席)

駒:皿OK、ナイフ、フォークOK、毒消しOK
鈴:よし、もう準備は大丈夫だな
死:ちょっとまたんか
鈴:なんだ?

死:陣や酎が毒見役になるのはわかるが何で俺まで毒見役にさせられるのだ!!
酎:なんでオレラだとわかるんだよ!
凍:くじ引きで決めたことだ、今更ジタバタしてもどうしようもないだろ
死:というか何であの三人(コエンマ、桑原、師範)は最初っから除外されている!?
鈴:一応彼らは人間(とそれに近い種族)だからな
  下手すると病気か…もしくは即死するかも…

死:俺を何だと思ってる!!!

 

 

 

一品目:オークのあぶり焼き

飛:普通に食えそうだな
陣:んーとりあえず食えそーじゃねーか♪
酎:おーこれならいけそうだなじゃ早速
コ:…(食えそう…なのか!?)

がぶり

(三秒固まる陣と酎)

 

蔵:お味のほうは?
陣:……ちーっと味の方が
酎:………クセがあって

死:(もぐもぐむぐむぐ)うむ、まるでこの味はにんげ……

ドタドタドタドタガタン!!

陣:へへへへへ何でもねぇだよ!
酎:そうなんでもねぇよ!さ、次の料理!早くしろ!!
死:ムガムガモガガガガ!!!
(二人に取り押さえられてしゃべれません)

 

 

 

二品目:コボルトのソテー

陣:じゃ、じゃぁいくぞ!
酎:お、おう!

ガリ

 

もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ

 

酎:ん!こりゃ普通に食えるぞ!
陣:結構いけるぞこれ〜、ちょっとパサパサしていて旨みがねぇけど
死:俺はさっきのほうが――ぐあーー!なにをするーーー!!

鈴:(死々若を取り押さえながら)よし、これなら第二段階へ進めそうだな

 

第二段階:人間による毒見(毒見役;桑原君)

桑:なんで俺なんだよ!コエンマやばあさんの方が味知ってんだろうが!
蔵:コエンマは衰弱しきってますし、師範は調べ物しに行っ(逃げ)ちゃいましたし
  大丈夫ですよ、そんな即効性の毒がありそうな食材ではありませんから(多分)

桑:う〜〜〜しゃぁねぇ…
  お、きたか! ん?普通に食えそうだな
  じゃーいっただっきまーっすっとぉ

 

ぱくり

 

どた

 

蔵:桑原君!
桑:……ま、まずい…
 カテェし、くせぇし…に、人間の食うもんじゃねぇ
蔵:却下ですね。

 

 

 

 

(調理場)

幽:おーい蔵馬ーどうだった?
蔵:やっぱり人間の味覚にあいませんでしたね…
幽:やっぱりかーところでよー 蔵馬
  これどうしよっかな〜って思ってるんだけど
蔵:…だ・れ・が・そんなもの持ってきたんですか!
幽:やっぱだめ?
蔵:利用できるわけないじゃないですか!捨ててきてください!
  ブラックジョークもいい加減にしてくださいよ!

三品目:出る前に廃棄されました

 

 

 

 

四品目:バブリースライムとアンデットコボルトの煮込みスープ

陣:…………
酎:…………
死:…………
蔵:さあ食べてください

陣:湯気立ってるだ
蔵:出来立てですから
酎:紫色してるぞ
蔵:素材の色です
死:俺たちを生かして返す気ないだろう!
蔵:死にはしませんよ(かなり多分)
  さ、さ、食べて食べて

酎:せーのでいくぞ…せーの!!

 

パク ズズズズズ

 

 

 

 

…………

 

蔵:どうです?

…………

蔵:どうしました…?(やはり危険だったか…)

陣:………ぃ
蔵:え?

陣:う、うまぁい!!!
酎:
うめぇ!うめぇよこれ!
死:
普通どころじゃない!ぜんぜんうまいぞ!

 

蔵:そ、そうですか(極度の飢餓で味覚が変になったんじゃないだろうな…)

 

 

第二段階:人間による毒見

桑:ぜってーーーー食わねーぞ!!
  そのスープを近づけるなぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!
陣:うまいんだって!
酎:食って見えろよ!保障するぜ!
蔵:桑原君に食べてもらうまでは味の保障ができないんですよ!
  お願いします
桑:絶対いやだぞ!
蔵:早くしないとコエンマが飢え死にしますよ!さあ!
桑:…………しかたねぇ
  よし!男桑原、こうまで頼まれ引き下がれるかーーー!
  いざぁぁぁぁあああ!!!(ヤケです)

 

ずーーーずずずずずずずずず

 

 

 

 

 

………………

桑:う…ううううう
  
うまぁーーーーーーーーい!
陣:だろ!
酎:な!
蔵:ほんとですか?
桑:うめぇよこれ!マジで!
  疑うんなら食ってみろよ!
蔵:そ、それじゃぁ

 

ずーーー

 

蔵:…………あ、うまい
桑:だろ? 
  こりゃ何杯でもいけるぜ!

 

 

 

 

かくして、食料捕獲という第二の戦いは、究極のスープを見つけるということによって
コエンマは餓死を逃れ、プレーヤー達の勝利に終わった。
しかし、迷宮の奥にはさらなる強敵が潜んでいることをまだ彼らは知らない…

(次回予告風)