第四部 〜GILGAMESH'S TAVERN  ギルガメッシュの酒場 前編〜

 

酒場のカウンターで皆が来るのを待っている蔵馬、飛影、コエンマ達

コ:奴等は何をグズグズしとるんだ 遅すぎやせんか?
飛:コエンマ 貴様よくそんなことが言えるな
(睨み付け)
蔵:皆始めてプレイする人ばかりなので手間取っているんじゃないでしょうか

  (顔は微笑んでいますがかなり怒ってます)

コ:(…早く誰か来てくれ このままじゃ殺される…)

トントン(誰かがコエンマの肩をたたく)

コ:お〜 やっとき…ゲ!

 

幽:よぉコエンマ  会 い た かっ た ぜ (微笑)

コ:は、はは…(な、なんで最初に幽助がぁーー!)

 

しばらくお待ちください

 

幽:ふ〜う やっとすっきりした♪
  
(横にはボコボコにされたコエンマが放置されている)
  おい、ところで飛影、そいつ誰だ?
  
(飛影の横に座っている髪の短い少年を指差す)

飛:フン お前より先に行った奴が誰なのかぐらい覚えていろ
幽:へ?…ま、まさか 蔵馬?
蔵:まさかじゃなくても俺です

幽:何ーーーー?!!その髪どうしたんだ?!つーかなんか背低くなってねー?

蔵:このゲームでは、キャラクターは作られた当初は
  必ず14歳から16歳の間になるんですよ
  俺の場合は14歳頃らしいですね
  この頃はまだ(髪を)伸ばしてませんでしたから

幽:マジかよ?!!
  そういやコエンマも前に見たときよりもガキ臭え顔になってんな

 

コ:(いつの間にか復活して)
  ガキ臭いはとはなんじゃ!せめて若々しいと言わんかい!
蔵:霊界にいるときの方が今の数十倍若く見えますよ

幽:言えてる あ おい蔵馬、その年齢ってドコで分かったんだ?
蔵:後ろにある石盤ですよ あれに書いてあるんです

幽:あれか えーと 俺は一体何歳になってんのかな…15か
  でコエンマが16で飛影が15…
  ん?蔵馬、名前の横に“人間”とか“エルフ”とか書いてあっけど、こりゃなんだ?

蔵:それは種族ですよ
  この世界ではキャラは必ずいずれかの種族に属しています
  多分最初に登録した所で勝手に決められたものでしょね
幽:その種族ってのはなんか特別に意味あんのか?

 

蔵:ええ 特性値と言うものに影響します
  名前の下に書いてある数字がその特性値で
  力 知恵 信仰心 生命力 素早さ 運の六つのパラメーターがあります
  例えば俺が属しているエルフというのは知恵と信仰心が高いという
  長所がありますが生命力が低くあまり丈夫ではないという短所もあります
  外見では俺を見れば分かると思いますが耳が尖がるんです

  (自分の耳を指差す)

幽:うお ほんとに尖がってる!陣みてーだな
  じゃ俺やコエンマの“人間”ってのは?
蔵:普通の人間のことです 特にこれといった特徴がありません
  あえてあげれば信仰心が低いって所でしょうか

幽:なんかつまんねえな じゃ飛影の“ホビット”ってのは?
蔵:外見は身長が小さく とても素早く運が強いという特徴があります
  短所としてはあまり力は無く生命力も低いと言う所でしょうかね
幽:チビですばしっこいって所は飛影そのものじゃねーか
飛:………
(後者はともかく前者が気に食無いご様子)

 

幽:他にはどんなもんがあるんだ

蔵:ドワーフとノームと言う種族があります
  ドワーフは人間よりは背が低くホビットよりは背が高い姿をしていて
  とても力が強く頑丈ですが動作が遅いと言う欠点があります
  ノームは全種族中最も背が低く俊敏で信心深い種族です
  特に欠点と言う欠点が無い種族ですね

幽:ふ〜ん  お! なんか他にも文字が浮かんできたぞ
蔵:どうやら誰かゲームに入ったみたいですね
コ:ふー ようやく誰か来たか

 

 

数分経過

桑:よぅ!!
幽:おお!桑原 よく来た…
 (桑原の方を見る)
  ん? ぷっくっくく くくく ぎゃはははははっはっは

桑:な、なんだよ?!
幽:く 桑原が くくくく チビになってる!!ぎゃははははは
桑:んだとぉ?! 鏡ねーのか!鏡!

蔵:入り口の所に大きな鏡があったと思いますが

蔵馬が言い終わらないうちに桑原入り口にダッシュ

 

コ:なんだ 幽助の次は桑原か 他の奴らはまだ来んのか…
桑:
(何時の間にやら戻ってきて)“なんだ” じゃねーだろ!
  てめー よくも人をこんな目に合わしやがったなぁ!!!
コ:(しまった…言わなきゃよかった!!!)

 

もうしばらくお待ちください

 

蔵:思ったよりも早く来れたね
桑:おお おめーが先に注文しといてくれたからな
  そうじゃなかったら今頃まだ店ん中で立ち往生してたとこだぜ
幽:他の奴らは?まだジャンケンやってんのか?
桑:ああ 多分来るまで相当時間かかんじゃねーのか
幽:あー さっさと来いよ 何時になんだよここ出んのは

 

桑:そうだ 俺の年齢と種族は何になってる?
幽:おめー 何でそのこと知ってんだよ!
桑:浦飯が行ったあと バーサンに聞いたんだよ
幽:あのババア人がいるときに説明すりゃいいものを…
  
(石盤を見る)えーと年齢は16で種族は ドワーフ

桑:ゲェ!やっぱりドワーフかよ!!
蔵:どうやら種族によって少しは外見に影響があるみたいですね
  まだ身長だけでよかったと思ったほうがいいですよ

桑:…そうかもな…本物のドワーフは髭だらけらしいからな
  まだこの程度ですんでよかったか
幽:そうだな 髭だらけでチビの桑原なんか見たくもねえよ
飛:それで無くともそいつは装飾品としては最悪の品だ

桑:てめーら いちいちうるせぇんだよぉ!!!

 

 

 

こちらは現実世界

雪:もう探してない場所は……
  あら?ぼたんさんにジョルジュさんじゃありませんか

ぼ:(は!見つかった!!)ゆ 雪菜ちゃん!どどどうしてこんな所に
雪:あの…一応ここに住んでますから ぼたんさん達こそここで何を?
ジョ:べべ別に何もしては

雪:?それは何ですか?(パソコンを指差す)
ぼ:ああーー これ? これはえーとあの…なんでもないんだよ

雪:そうですか あの 幽助さんや和真さんたちを見かけませんでしたか?
  一緒に探していた陣さんや凍矢さん達や幻海さんもいなくなってしまったんですよ

ぼ:Σ(ギク) ああー 多分ほら なんか買い物にでも行ったんじゃあ…
雪:一番近くのお店は車で五時間ぐらいかかりますけど
ぼ:い いやぁさ ほら幽助達の事だから
  車なんかよりももっと早く走れるんだからさ
  多分 ちょっとした軽い運動のつもりで行ったんじゃないかなー

雪:……そうでしょうか
ぼ:そうだよ!きっとそう!

雪:そうですね そうだ ぼたんさんにジョルジュさん
  いまお茶でも沸かしますからどうぞあちらの客間の方に…
ぼ:あいや ここで十分だよ (汗)
雪:そうですか それじゃ こちらにお持ちしますよ

雪菜退室

 

ジ:はー ビックリした(冷や汗ダラダラ)
ぼ:ホントだよ まさかいま この中にいますなんて口が裂けてもいえないよ
  あ どうやら全員ゲームの中に入ったみたいだね
ジ:本当にクリアできるんでしょうかね
ぼ:まあ蔵馬がいるしゲーマーの師範も一緒だからなんとかなるでしょ
  ……多分

ジ:ハァ…(溜息)