*HOME SICK??* 3
*********そしてその頃**********
「飛影!久しぶりですねー。」
「俺、引っ越したんですよ。中々見晴らしも良くて良いところでしょう?」
にこにこほのぼのとしながら蔵馬が話しかける。
!?引っ越した・・だと?それも、ただ、単に。
「・・・・・・・・・貴様、ぬけぬけと・・・」
今まで物凄い剣幕をしていた飛影だが、その悪意のないというか何も無い笑顔にすっかり脱力してしまった。
「何ですか?何かありました?」
「・・・・・・・・・なんでもないυυ」
「何だか飛影から美味しそうな匂いがしますね。幽助のところに行ってたんですか??」
「フン」
何故俺や幽助に一言も無しに等そもそも何故俺はこんなに探し回ったんだ?等、色々と言いたい事があった筈なのだが、
蔵馬の顔をみたとたん何もかも全部どうでもよくなってしまった。(二つ目の疑問は相手に問うのは間違ってる気がυ)
「・・・ところで、なぜ引越したんだ?」
そうだ。これだけはどうでもよくない。
「ああ、それはね!貴方にとっても素敵な理由ですよ♪」
「なんだ?」(何かあるのか?)
その答えにチラリと蔵馬の方を向く。
「ここなら、飛影が何も気にせず沢山来てくれると思って♪」
ガッターン!!
あまりにも予想外な蔵馬の答えに飛影はすってんころりんアイタタタの様子だ。
理由は俺か〜〜〜!??
(心の声)
「お前、それだけのために引っ越したのか!?」
飛影は大きな目を更に大きくさせ問う。
「なんて冗談ですよ♪」
ガタタターン♪♪
2連発でリズミカルに崩れる飛影のリアクションに心底面白そうに笑う。(飛影ってリズム感や音感良さそう)
「俺も社会人になりましたからね、立派に一人発ちです。それに、母さん達新婚のジャマもできないでしょう?」
飛影が転んでしまった姿勢がちょっと痛そうで、少し悪く思いながらもにこにこと続けた。
「お前、いい加減タチの悪い冗談はやめろ。」
二回目の大コケに背中を打ったらしく、さすりながら不恰好な姿を晒してしまってムクれた飛影が蔵馬に言う。
「俺も冗談言えるなんて久しぶりですよ。最近飛影が俺の事忘れてるみたいだから。」
またズルっと音をたて、持ちかけた姿勢を崩してしまったが、今度こそはと意地になり転ばなかった。
「だからそういう冗談を止めろといっている!!」
「はいはい、もう言いませんよ」
宥めるように蔵馬が言う。
「フン。全く、無駄な足を使って疲れた」
「それじゃあもう寝ます?」
と聞き返す前に飛影は蔵馬のベットにドカッと横になっていた。
何がともあれ蔵馬が見つかって安心したのだろう。
すぐに眠気が襲ってくる。
元々蔵馬も他人の介入を嫌う性格だから、先ほどのセリフは”シャコウジレイ”として一人暮らしはさぞかし自由で気楽だろうと
飛影は考えたが、しかし、別段俺が居る時に迷惑な顔をした事は一度も無い。
しかも、不服だが先ほどからかって笑った顔は以前見た笑顔と変わらず、幸せそうだった。
・・・・・・・・・・・・・ちっ
「半分は本当の理由ですよ、さっきの事。」
「!?」
心が読めるんではないだろうかと疑う蔵馬の言葉が耳に届く。
「だからまたいつでも来て下さいね、飛影」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・フン。」
なんていつもの様に相も変わらず不愛想になってしまったが、その言葉に内心言われなくても来てやると言葉にはしなかったが、強く思っていた。
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END★
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初めまして、咲川と申します。読んでくださった方有難う御座いました!!(>_<)
初めて小説という代物を書いたので、何だか文の繋がりやらまだ全く未熟ですが
飛影がガターンと倒れる所はお気に入りです☆
(璃尾様の表現が素晴らしく面白いので使わせて頂きました〜)
飛影、何がともあれ無事お家帰れてよかったね。
自分の小説に説明を加えてしまうのはあれですがυυ
一人暮らしで学校や仕事は楽しいけど、やっぱり大変なんでたまには家で親の作ってくれる
食事を食べながらゆっくりしたいなという私の心境からできました。
長い休みでもないのに急に帰ってきても快く「おかえり」と言ってくれるのはやはりとても安心できて嬉しいものです。
そこに自分の居場所が感じられますね(^▽^)飛影もそうだったらいいなと。
読んでくださった皆様、そして璃尾様、有難うございます。
咲川