<便利な生き物>

 

 

 

幽助(ナレーター):魔界のあるところに…(コソ)この字なんて読むんだ?
蔵馬:ホーンテッドマンションとでも読んでおいてください
幽助:そーかそーか ホーンテッドマンションが――

黄泉:「がんだら」だ!
幽助:どあぁ!

蔵馬:出番はまだでしょ 引っ込んでてください
幽助:ふー びっくりした
    んでその「がんだら」に一人の妖狐がたずねてきました

 

黄泉(癌陀羅館主):そちが新種の生物を開発したという者か
蔵馬:はい その通りでございます
黄泉:ほう よくぞこの国に来てくれた。我が国は優秀な人材を必要としている、然るに優秀な人材とは――

修羅:話が長引くのでこの辺でおしまい、その発明した物ってなに?
黄泉:話を中断させるな!これはとても大事なことであって
修羅:パパ、もう一生口利かないよ
黄泉:っ・・・ (いつからこんな子に)

蔵馬:こちらでございます

幽助:そういうと、妖狐は持ってきた植木鉢を差し出しました

 

黄泉:これは―― ただの盆栽のように見えるが
修羅:盆栽には見えないよ パパ

蔵馬:新しく開発した ペットプラントでございます
黄泉:ペットプラント?
蔵馬:見た目はただの植物ですが、さまざまな物に姿を変えることができるのです

黄泉:ほう で、それが一体どんな所に利点があるというのだ?
蔵馬:たとえばこのように・・・

幽助:妖狐が合図をすると植物は突然「百足」に変身しました

 

黄泉:ぐぁ・・・ ゆ、床が抜ける!
修羅:うわーすげー

蔵馬:どうです このとおりどんな巨大な生き物にでも姿を変えられます
黄泉:分かった 分かったからさっさと元に戻してくれ!

幽助:妖狐が合図をすると百足は元の植木鉢に戻りました

 

蔵馬:どうです 素晴らしいでしょう
黄泉:素晴らしいも何も 倒壊する所だったではないか
蔵馬:今のは場所が悪かったですが、百足が簡単に使えるというのは便利でしょう?
黄泉:うむ・・・ 普段は植木鉢にしておいていざとなったら、百足になるというのも確かに便利だな

修羅:これ 他のものには化けられないの?
蔵馬:お望みならば使い魔、乗り物、動物、食料にだってなれますし、妖怪に化けることもできます
修羅:へ〜 ちょっとやって見せてよ

幽助:妖狐が合図をすると植木鉢は館の主人に化けました

修羅:すげー! パパが二人になった
偽黄泉(植物):ハッハッハ どうだ修羅すごいだろう
黄泉:しゃべることもできるのか

 

 

幽助:妖狐は合図をして植木鉢を元の姿に戻してから、館の主人にむかっていいました

蔵馬:これでこの植物の素晴らしさが分かっていただけたと思います。どうでしょう 今なら肥料栄養剤込みでこの位の価格ですが…
修羅:ねーパパ これかってよー

黄泉:しょうがないな〜 (コソ)時にローンは組めるのか?
蔵馬:もちろん 分割払いもご利用いただけます

黄泉:よし 買いだ
蔵馬:ご購入ありがとうございます

 

 

幽助:こうして館の主人は妖弧と息子の口車にのって植木鉢を購入してしまいました
   それから何日か経ったある日 館の主は外出することになりました

 

黄泉:修羅、ちょっとパパ出かけてくるからな、今日中には帰れそうもないから――
修羅:パパ、あの植物もってったら?百足にすればきっと早く帰ってこれるんじゃないかな
黄泉:修羅は頭がいいな〜 ようし早速持っていこうか

幽助:館の主人は植木鉢を持って出かけていきました

 

 

――そしてその日の夕方

 

黄泉:修羅ー 今かえったぞー
修羅:パパー おかえりー あれ? あの植木鉢は
黄泉:それがな、途中で腹が減ったので食料にして食べてしまったんだ

修羅:え――――!

黄泉:すまんな修羅、また新しいのを買ってやるから
修羅:…ま いーか パパ約束だよ
黄泉:うん 約束だ

修羅:あの植木鉢おいしかった?
黄泉:ああ 食えなくはなかったな
修羅:ふーん ところでパパ
黄泉:なんだい?

 

 

パパの背中から生えている根っこみたいなもの なに?    

 

 

おわり