第二十部 〜 〜 Good and Evil 〜 善人と悪人(又は自分を見失いやすい人々) 〜
鈴:えーっと時に蔵馬、この指輪を鑑定ミスしたらどうなるのかな?
蔵:呪われたロングソードの時と同じで、商店街の店主に、売値の半額支払って呪い解除してもらうことになりますね。
鈴:ほーぉ…
蔵:鈴木、まさかとは思うけど鑑定なんかしてないよね?
鈴:・・・はははははは ちょっと珍しい形していたからどのようなものかと調べてみたくなって…
桑:はははじゃねーだろコンニャロウ! “迷宮出口の階段に着くまでアイテム弄るな”っつったの忘れたのか!
蔵:このアイテムはちょっと特殊なんですよ。何せ ただ『持っている』だけで体力が10分の1づつ減っていくユニーク品ですから。
鈴:そんな危ないものだと何故先にいわんのだ!
蔵:釘刺しているにも関わらず触ったのはどこのどなたでしたっけ?
鈴:・・・・・・・・・・・・
駒:既にアイテムの名前とか判ってるのにどうして鑑定しないと店に売れないんだろね。鑑定も命がけだし
蔵:ゲームは融通の利かなさとご都合主義でできているんだよ
駒:ドリームクラッシャーみたいな事言わないでよ…
蔵:現実を見つめなきゃ大人になれないよ。世の中割り切る事が賢く生きるコツさ。
駒:そんならオイラ聞き分け悪い子供の方がいいや。
桑:おめー元々ませたガキじゃんか
駒:うるさいなー!
ドカン!
鈴:Σぐはっ!(扉の目の前にいたので蹴飛ばされました)
陣:ただいまー!
駒:おかえりー 速くない?
蔵:最速のメンバーで行きましたからね。
桑:首はあったか?
幽:おお 危ないところだったけどなんとかなったぜ
鈴:何はともあれ無事生還できて何よりだな。
凍:無事と言ったら確かに無事なのだが…
蔵:何があったんですか?
コ:それがなぁ…
鈴:死々若、ちゃんと良い子にしていたか?
死:何を仰るんですか鈴木さん?その様に子供に話しかけるような言葉をかけるなんて。
鈴:ハハハハ、なんだ死々若、切り返しが随分うまくなったな。何かあったのか?
死:仰っている意味がわかりません。私はただ、窮地に陥った仲間を助け出しに行っただけですよ?
さあ皆さん、早く城へ帰還して寺院に向かいましょう。
鈴:ハハハハ・・・・・・・・・死々若どうしたんだ!!頭でも打ったのか!?
コ:玄室でてからずっとあの調子だ。
蔵:何があったんですか?
凍:その経緯はちょっと話しづらいのだが…
(凍矢、蔵馬にフレンドリーな熊から首を取り返してきた経緯を説明中)
蔵:なるほどね、幽助 ちょっとパーティのステータスの石版を出してくれないかな?
幽:いいぜ、INSPECT!
蔵:(石版を覗き込む)やっぱり性格が善人になってる。
鈴:なんだとぉ!?
駒:性格って変わるもんなの?
蔵:ゲーム機でプレイするとフレンドリーモンスターとであった場合には『戦う』か『立ち去る』の二種類の選択肢が現れるんだ。
ここで『戦う』を選ぶと通常の戦闘に入り、戦闘後『善人』が『悪人』になることがある。逆に『立ち去る』を選ぶと――
幽:『悪人』が『善人』になっちまうってわけか
陣:どーりで
鈴:元に戻す方法はないのか?
蔵:もう一度フレンドリーモンスターに出会い『戦う』を選択すれば戻ります。
幽:なんでコイツだけ性格変わってオレは無事なんだ?
蔵:フレンドリーモンスターに出会って性格が変わるのは全て運次第だからね
変わらない時は100回逃げても変わらないし、一回出会っただけで変わる事もあるんだ。
陣:このままじゃ話しかけ辛い上に、なんか怖ぇだ。
凍:戻った時に、性格変わっていた頃の記憶が残っていたら死々若の性格上、トラウマになるな。早く元に戻してやりたいが…
蔵:パーティが喧嘩することなくなるので俺はこのままの方がいい気がしますけど。
鈴:お前は鬼か。
蔵:とにかく今は一旦戻りましょう。師範を蘇生させないと、死体が腐ってしまう。
幽:おーし さっさと戻るぞ
蔵:飛影、いい加減起きてください。
飛:(欠伸) なんだ遅かったな。
幽:バカ言え最速だ
死:飛影さん、睡眠は大事ですが時と場所をわきまえてください。
飛:・・・・・・・・・・・・どうしたチビ、新手の嫌がらせでも覚えたのか?
蔵:詳しい経緯は城に戻ってから。さあ行きましょう。
駒:ねぇ〜誰か酎運ぶの手伝ってくれよ〜
陣:起こせばいいべ
駒:起こしたら大変な事になるから言ってるんじゃない!
エレベータへと歩みを進めるメンバー
しばらく進むと扉の前でうろうろしている影と遭遇する
幽:ゲ、ここまで来てモンスターかよ
陣:でも全然襲い掛かってこねーべ?
出合ったモンスターはロッティングコープス(やつれたゾンビモドキ)
だが冒険者を見ても襲い掛かってくる様子は無くこちらの様子を伺っている
桑:ひょっとしてこいつフレンドリーモンスターじゃねえのか?
幽:渡りに船とはこの事だぜ!こいつブッ倒して元の性格に戻してやろうぜ!
桑:うーっしいくぜ!
蔵:桑原君!ちょっと待って――
聞く耳持たずに突進し速攻でモンスターを倒す二人
幽:ヌイグルミ!元に戻ったかー!
死:あ、あなた達は何をやっているんです!魔物とはいえ無抵抗の者を虐殺するなんて!
陣:全然戻ってねえだ。
幽:やっぱそう簡単には戻らねぇみてえだな
桑:フ・・・フフフフフハァーハハハハハハ!!
コ:く、桑原の様子が変だ
駒:いつも通りじゃん
桑:フ、何を仰るんですコエンマさん。私は至って正常ですよ?
幽:・・・・・なぁ ひょっとして
蔵:ははは、桑原君 『悪人』 になったみたいだね。
飛:デコボコ面、ついにおつむが参っちまったか?
桑:フ…そんな事君に言われる筋合いないよトンガリチビ君。
それより、もう一度玄室へ行きませんか?死体なんぞある程度腐ったところで、蘇生できなくはないでしょうに。
死:何を言い出すんです!あなたは仲間をなんだと思っているのですか!仲間が死ぬかもしれないときに…あなたそれでも人間ですか!
ワーワーワーワー(喧嘩中)
蔵:凍矢、眠りの呪文。
凍:わかってる。
蔵:幽助、陣、城まで四人を担げるか?
幽:うーん、分担すりゃなんとか行けそうだな。ようし、ばーさんとヌイグルミもってくから後の桑原と酎は頼んだぜ。
陣:おーーーい重いの押し付けんじゃねえべ!
コ:ヤツラは疲れというのを知らんのか。
鈴:…またあのエレベーター乗るのか?
コ:それしか帰る方法今のところなさそうだな。
駒:今から気持ち悪くなってきた…
蔵:鈴駒、一階のダークゾーンを抜けたら別行動で先に城へ戻って、酒場で酒を頼む。
駒:ほいっ。起こさないように気をつけてくれよそのアル中。
蔵:大丈夫さ、起きたらその都度呪文で眠らせるよ。呪文の残り回数考えたら多分城に入った頃に切れそうだ。
駒:OK わかった
幽:うっしゃ、帰るぞ!
陣:オイ!マジでオメさ重いの残してくな!コラマテ幽助!